【コイルばね選びのポイントを徹底解説!】具体的な使用事例もご紹介!
1.コイルばねとは?
コイルばねとは、その名通り、コイル状に巻いたばねのことを指します。コイルばねの使用頻度は全体の37%を占めており、最も使用されていることがわかりました(その次は板ばね:28.1%)。日用品の中、たとえば自転車、リモコンなどを考えますと、コイルばねの姿を思い浮かべることができるでしょう。
そして、ばねがネジの次に使用頻度の高い機械要素であるため、ばねに関する基礎的な知識を知っておくことは、日常生活だけでなく、機械設計にとって必要不可欠なのです。今回はコイルばねを中心に、身近な事例を取り上げながら、種類・用途・使用事例・選び方から解説いたします。新製品の製造を考えている方、または受託製造業者を探している方ぜひご一読ください。ばねで起こるトラブルですが、大きく分けて「へたり」「破損」「絶縁不良」の3つが主なトラブルとなっております。
2.コイルばねの種類と用途
コイルばねは形状によって主に圧縮コイルばね、引張コイルばねとねじりコイルばねという3種類があります。取付場所も用途もそれぞれ違いますので、この節では詳しくご説明します。
圧縮コイルばね
圧縮コイルばねは圧縮の荷重を受けるために用いられており、最も一般的なばねです。また、短縮して「ばね」「圧縮ばね」と呼ぶ場合も多いです。コイル形状は一般的には円筒形状(等ピッチコイルばね)ですが、円錐(不等ピッチコイルばね)のものなどもあります。
引張コイルばね
引張コイルばねは張荷重を受ける用途に用いられるものです。代表使用例として自転車のスタンドがあり、コイル部は一般的には密着巻するのが一般的です。また、フックの部分は多くのかたちがあります。
(引張コイルばねの製品例)
ねじりコイルばね
(ねじりコイルばねの製品例)
3.実際の使用事例をご紹介
リモコン(圧縮コイルばね)
自転車のスタンド(引張コイルばね)
安全ピン(ねじりコイルばね)
4.コイルばねを選ぶ際に見ていただきたいポイント
このように、コイルばねは日常生活に幅広く存在していますが、コイルばねを選ぶ際に気を付けるべきポイントが2つあるので、ご紹介させていただきます。
線材と製造・加工方法を正しく理解する
まず、コイルばねの製造は「線材」が必要となります。コイルばねはばね専用の材料を線状に加工したものを使って製造しており、代表的な線材は硬鋼線、ピアノ線、ステンレス鋼線、ばね用リン青銅などがあります。各種の線材の特性が異なるため、用途に応じて最適な線材を選ぶことが重要です。
また、線材加工の作業は「コイリング」とも呼ばれています。また、コイルばねの加工方法は主に2つの方法があり、それぞれ熱間加工と冷間加工と呼ばれています。熱間加工とは金属を加熱して加工する方法であり、冷間加工とは金属を常温で加工する方法です。製造量や線の太さなどにより、必要となる加工方法も異なります。
コイルばねのトラブルを正しく認識する
コイルばね(特に引張コイルばね)の使用範囲が広いですが、フック部分は脆いため、トラブルが起きやすいと考えられています。そのため、引張コイルばねを選ぶ際には、安全面の考慮からフック部の耐久性も考慮して検討しなければなりません。その際に気軽にご相談くださいませ。
5. まとめ
以上、「コイルばねとはなに」から、「コイルばねの分類と使用用途」、「実際の使用事例」および「コイルばねを選ぶ際のポイント」までご紹介いたしました。
本コラムにてお伝えしたように、コイルばねは最もポピュラーなばねです。そのぶん製造されるばねの種類も数多くございますので、製造業者に直接問い合わせて自社のニーズをすり合わせながら特注するという選択肢を取ることをおすすめいたします。