ばねの歴史①【ばねの誕生】

ばねの歩んできた歴史について紹介!!

 

ビヨーン!とはねる「ばね」。ばねは、スプリングや発條とも言われます。「ばね」は私たちが利用する車や電車、電気機器、文房

具にいたるまで、ありとあらゆるものに組み込まれています。「ばね」は、「いつ」、「どのように」誕生したのでしょうか。今回のコ

ラムでは意外と知られていない「ばねの歴史」を少しのぞいてみましょう。

1.ばねの誕生

ばねの誕生はその昔、原始時代にまでさかのぼります。

人類は道具や火を使うようになり、それらを使って、狩猟したり食べ物を調理したりしていたそうです。

その中で木の枝をたわませて、それがもどる力を利用して、槍を飛ばすような簡単な罠の類が発明されていたようです。

この木の枝をばねと捉えるならば、人類は文化的な歩みを始める頃、既にばねを利用していたということになります。

今から10万年前から5万年前の話だそうです。

罠以外にもやがて弓として利用されるようになりました。弓矢の発明によって本格的な狩猟が行われていたのでしょう。

これらの罠や弓矢は当時の壁画などにもよく描かれており、人類において大事なものであったと推測されます。

2.ばねの進化

さらに歴史は進んで弥生時代。中国から日本に箸が伝来し、以後日本では箸食文化が広がることになります。

この箸が実は今の2本1組の箸とは違い、竹を曲げてトングのような形状にしたものでした。それまでは手食でした。

諸説ありますが、神事を行う際、神様へ食べ物を捧げるのに直に手で触れないようにするために、最初の箸が使われたとも言われているようです。

その後、飛鳥時代に入り、箸を食事に使い始めたのは、遣隋使小野妹子一行が持ち帰った箸を、朝廷の供宴に採用した聖徳太子とされています。

そこから箸食文化が広がり、平安時代には、日本人の多くが箸食生活を取り入れていました。

もうそのころには2本1組の箸になっていたようです。また、箸と同様に金属製の鋏(はさみ)も中国より伝来していたそうです。

いつ頃かは定かではないのですが、4世紀末の古墳からの出土例もあるとのことで、そのころには存在したということになります。

その鋏は、1枚の金属板をU字形に曲げて刃と刃が合うようにした形態で、手で握る柄が力点、後ろに支点があり、ばねの力が利用されています。紀元前10世紀頃に古代ギリシアで羊毛の収穫に使われたのが最初とされ、ギリシア型と呼ばれています。

現代でいう「和鋏」と同じで日本人にもなじみある形状です。

このほか、中国ではさらにばねの働きを良くするために単純なU字形ではなく中央部が8の字形になっているものも発明されました。

現在普及している2枚の金属板をX字形に鋲で留め刃と刃が合うようにした形態のはさみはローマ型といわれます。

「洋鋏」ですね。ここまでのばねの歴史は、木や竹、金属のたわみから生まれる力を利用した「ばね」もしくは「ばねの力」を利用したものでした。

次回からは「ばね」が部品として機能的な活躍をはじめる時代、本格的な金属製ばねの歴史ものぞいていきたいたいと思います。