竹の子ばねとスパイラルカバー

 《竹の子ばねとスパイラルカバー》

 

 

いつもご愛顧いただきありがとうございます。
竹の子ばねって聞いたことがありますか?
今回は竹の子ばねとそれに似た形状のスパイラルカバーについてご紹介いたします。
あまり聞き慣れないばねの種類ではありますが、皆さまの竹の子ばね・スパイラルカバーへの理解が深まりましたら幸いです。


竹の子ばねってどんなばね?

竹の子ばねと聞いてどのようなものを想像しますか?
あまり目にすることがないので想像しにくいでしょうか。
竹の子ばねとは、長方形断面の板を円すい状に巻いた、見た目竹の子のような形状をしたばねです。
紙やポスターをクルクル巻いて、中心の最小部分を端から少し引き出してできる円すい形状のばねと言うとわかりやすいでしょうか。

竹の子ばねは円すいばねの一種です。円すいばねは一般的に材料断面が円断面になっていますが、竹の子ばねは材料断面が矩形断面(長方形断面)になっています。
見た目の違いとしては、円すいばねのフリー形状は全長側を正面にして見ると、線材が巻数分の長さを占めるだけで、全体ではコイル間が空いていることがほとんどです。
竹の子ばねは材料が矩形断面≒板材であり、長さ側は材料幅がほとんどを占める為、内径側の材料に対して外径側の材料がオーバーラップしている形状となります。 

竹の子ばねを他のばねと比較してみると、占める空間容積のわりに大きな荷重・吸収エネルギーを得ることができます。
材質はSK85(SK5)・SUP6・SUP10などのばね用板材が多く使用されています。
サイズとして、板厚は1mm以下のものから厚いもので32mm程度、板幅は10mm程度から300mmを超えるものまで。
展開長も数100mmから3000mm位まで大小様々です。
製作については量産のできないばねであるため、職人の製造技術に依存しており技術の継承などが課題になってきています。

用途は衝撃エネルギーの吸収が主となり、様々な産業用機械に使用されています。
一般的に上部内径に軸、下部外径に外枠ガイドが入り、装置に組込まれる場合が多いです。
身近な使用例としては、クロスバイクやロードバイクによく使われている「クイックリリース式の車軸」です。
この車軸に使われる竹の子ばねは板材の幅が狭いため、一見するとコイルばねのようにも見えるのですが、よく見ると板状でできている竹の子ばねですので機会があれば見てみてください。


スパイラルカバーとは?

続いてはスパイラルカバーについてです。
スパイラルカバーという名称の他にも、スクリューカバーやポストカバーと呼ばれるものもありますが、今回はスパイラルカバーでご紹介させていただきます。
形状は竹の子ばねに似ていますが、竹の子ばねとスパイラルカバーでは使用目的が異なります。
竹の子ばねは高出力を重要視する一方、スパイラルカバーの出力は摺動時のじゃまにならない程度とされ、内径側の保護に重きが置かれます。
出力用途と保護用途、ばねは考え方次第で多様な使い道がありますね。
スパイラルカバーは、各種機械のボールねじ・シャフト・シリンダなどの保護に最適な、伸び縮みする防塵カバーです。
機械のボールネジを保護したり、金型のガイドポストなどを粉塵や異物混入から守り摺動性を維持する役割を担います。
かじりを防止する効果はもちろんのこと、作業者の手指をはさむなどの事故を軽減することにも役立ちます。 
材質は大きく分けてステンレスとスチールの2種類あります。
使用条件や作業環境にあったものを選ぶとよいと思います。


【まとめ】

いかがでしたでしょうか?
竹の子ばねとスパイラルカバーの違いや用途がお分かりになりましたでしょうか?
弊社ではステンレス製のスパイラルカバーを取り扱っております。
カタログに掲載されている仕様以外でも製作可能なものもございますので、選定に不安な場合は是非ご相談ください。
特注ばね即納.comでは【お問い合わせ・お見積りはこちらから】【お問い合わせ~納品まで】から問い合わせができますので、是非ともご活用ください。