【新型コロナ対策でも大活躍!】医療用バルスオキシメーターのばね

【新型コロナ対策でも大活躍!】医療用バルスオキシメーターのばね

 

いつもご愛読いただきありがとうございます。
新型コロナ感染症が一日も早く終息するのを祈るばかりです。
今回の記事では、新型コロナウィルス対策にも活躍している意外な当社のばねについて、解説していきたいと思います。

 

 

1.新型コロナウィルス対策でも活躍中!パルスオキシメーターとは?

 

コロナ感染者が早期に呼吸の状態悪化を計測する機器として、「バルスオキシメーター」を使用していることはご存じかと思います。
日本語では「経皮的動脈血酸素飽和度測定器」と言うそうです。
パルスオキシメーターをご存知でない方もいらっしゃると思うので、簡単に解説させていただきます。

パルスオキシメーターとは、皮膚を通して「動脈血酸素飽和度」と「脈拍数」を計測するための装置です。「動脈血酸素飽和度」とは、動脈に含まれる酸素の飽和度の事を指し、「パルスオキシメーター」は皮膚を通じてその測定値を測ります。
ちなみに酸素の飽和度とは簡単にお伝えすると、血液がどのくらい酸素を肺に運べているかの指標となっており、健康な状態であれば99%近くの数値が表示されます。肺炎などに患わってしまうとこの数値が下がってしまうため、パルスオキシメーターには病気の早期発見に活用されることが多いようです。

パルスオキシメーターの使い方としては、クリップになっている部分を開き、指を先端まで差し込み挟むだけです。
ちなみに、この機器が開発されたのは日本です。

    

 

2.パルスオキシメーターのばねの製造方法

当社では、このパルスオキシメーターのクリップする役目を担う「ばね」も製作しています。ばねと言っても、コイル状の一般的によく目にするばねではありません。写真のようなワイヤーを複雑な形状に曲げ加工した線加工品です。このような製品もばね材料を使用しているため「ばね」の分類に入ります。写真のばねは、線径0.7㎜、曲げの箇所が17箇所あります。このばねは、指を適度な力でクリップする役目を担っています。

当社ではこのような医療機器分野のばねにも力を入れています。この10月には医療機器の品質マネジメントシステム(ISO13485)の認証取得に向けて最終審査を受けることになっています。

このような三次元形状の成形はどのようにしているかご存じでしょうか。私がこの業界に入った40年前は、曲げ工具をつくり一箇所ずつ職人が手で曲げていました。現在ではワイヤーフォーミングマシンが登場し、線材(材料)の送り、製品の回転、ツールによる曲げを繰り返し、一筆書きのイメージで成形してしまいます。
製品は違いますが、こんなイメージです

 

しかし、全ての形状がこのように一発でできるわけではありません。機械にも対応できる線径(線の太さ)が決まっており、成形スペースの制限、曲げの形状や長さにより、後から手で加工する場合もあります。
また、機械で成形した後は、熱処理という工程を行います。熱処理の目的などのお話は専門的になるのでまた別の機会にお話しします。やっかいなのは、この熱処理により製品の形状が変化しますので、その変形量を見込んで形状を作らなければならないところです。そこは加工のエキスパートがしっかり合わせて作っています。

 

3.まとめ

今回はパルスオキシメーターにおいて活用されているばねについて解説いたしました。

当社ではこのように複雑な形状加工も得意です。
例えば、このような形状です。ばねは、圧縮ばねや引張ばねが多く使われていますが、このような形状もばねメーカーの仕事となります。

 

今回は実際に使われている製品をもとに当社の作っているばねの紹介をしてみました。
少しでもご参考になりましたら幸いです。