ばね用ステンレス鋼線

 

 

1.ばね用ステンレス鋼線とは

ステンレス鋼は錆びにくい鋼であり,定義としてはCrが約11%以上含まれた鋼となっています。
そしてステンレス鋼の中では,FeにCrを添加したフェライト系,マルテンサイト系,更にNiを添加したオーステナイト系,析出硬化系,オーステナイト+フェライト系の4つに大別することができます。
ばね用ステンレス鋼線では、材料記号が「SUS」となり,オーステナイト系(SUS304,SUS316)と析出硬化系(SUS631J1)があります。
オーステナイト系ステンレス鋼は、冷間加工するだけで硬化するので、コイリング成形後はテンパー処理(低温焼なまし)を行います。
また冷間加工することで、弱い磁性が付きます。
SUS316のように冷間加工してもほとんど磁性が付かないステンレス鋼線もあります。
SUS304はオーステナイト系のばね用ステンレス鋼線の最も代表的なものになります。
析出硬化系ステンレス鋼は、焼入れを行うことで硬化することのないオーステナイト系ステンレス鋼を改良してつくられました。
熱処理をすることで、非常に高い硬度を得ることができます。ただし、熱処理前は非磁性ですが熱処理後は強い磁性を示します。
SUS631が代表的な析出硬化系ステンレス鋼です。

 

2.種類・記号・及び適用線径

 

3.化学成分

 

4.引張強さ