いつもご愛読いただき、ありがとうございます。
今回は、『自分で作る試作ばね』で書いてみました。
興味のある方はぜひ参考にして下さい。
一般的にばねの試作は、製造メーカーに依頼する事がほとんどだと思います。
理由は
1.材料(ピアノ線・ばね用ステンレス鋼線等)が手に入りにくい
2.加工方法がわからない。また加工が難しいと思っている
3.熱処理ができない。また必要性があるかどうかもわからない
このような理由で自作する事を諦めていると思います。
実は、線径が細いばね(細すぎても作りにくいのですが)であれば、自作する事も可能なのです。
材料の調達について
材料調達ですが、通常の材料メーカーで購入しようとすると、購入ロットが大きくコストがかかってしまいます。
参考までにピアノ線の材料費は下図の通りです。
線 径 | 購入ロット | kg/円 | 金 額 |
0.5mm | 20kg | 約1000円 | 20,000円 |
1.0mm | 40kg | 約700円 | 28,000円 |
2.0mm | 150kg | 約550円 | 82,500円 |
サミニ(株)が運営するばねショッピングサイト『スプリングネット』では、数メートルからの小分けで販売しています。材質はピアノ線とばね用ステンレス鋼線があります。
加工方法について
加工方法については材料と同じく、ばねショッピングサイト『スプリングネット』にばね自作キットの案内とともに動画を載せています。是非こちらをご覧いただき検討してみて下さい。こちらを利用することで圧縮ばね・引張ばねのコイル部・ねじりばねの製作が可能です。
引張ばねのフック起こしについては、先端のコイルを無理やりラジオペンチなどで起こしている方もおられると思います。確認程度であればそれでもいいと思いますが、ある程度綺麗に、それなりのばねとして使用できるものにするためのフック起こしの道具も『スプリングネット』で販売しています。
熱処理方法について
熱処理が一番高いハードルではないでしょうか。
熱処理条件はピアノ線で約300℃×約20分、ばね用ステンレス鋼線では約350℃×約20分ほどですが、熱処理炉がない方はどの様に行えばよいのかが問題になると思います。
この熱処理は、金属の組織を変える焼入れとは異なり、外部からかかった応力の除去が主な目的になります。
熱処理炉が無い場合は、ガスコンロでフライパンにばねを入れ、豆を煎るような感じで行います。また材料の色の変化も気を付けてみてください。ピアノ線の場合は少し青色みがかった色、ばね用ステンレス鋼線の場合は黄色みがかった色に変色した当たりが良いと思います。
但し、これが万全という訳ではありません。試作でばねの仕様を確認する程度であればこの方法でも可能というご紹介になります。
またこの時に気を付けていただくのは、外径が変化する事です。ピアノ線で作ったばねは外径が小さくなり、ばね用ステンレス鋼線で作ったばねは外径が大きくなります。
では、どの位変化するのかというと、これは線の太さとコイル径が関係しますので的確な回答はできません。よって傾向のみの説明になります。
まとめ
と言うわけで、『ばね』は自作できる可能性があります。ぜひみなさんご自身の手で、ばねを製作してみてはいかがでしょうか。
新たな発見ができるかもしれませんね。