「ばねの通販『ストックスプリング』誕生秘話」

ばねの通販サイト「ストックスプリング」はこうして生まれた

 

いつもご愛読いただきありがとうございます。
本日のコラムでは、ばねの通販『ストックスプリング』の誕生秘話についてご紹介いたします。

1. 多様化する通販

 

皆さん、最近通販で何かを買われましたか?
きっと当たり前のようにAmazonやZOZOなどのネットで商品やサービスを購入されていますね。

一方、企業が企業に向けて商品やサービスを提供するB to Bビジネスも当たり前の時代になりました。

製造の分野でも、金型やFA部品など標準化が進みネット通販で購入でき便利です。

弊社の標準ばね『ストックスプリング』は今年でなんと37年目になりました。

標準品の規格ばねは金型用としてはその前からありましたが、一般用の標準ばねは弊社が国内で初めてスタートしたビジネスモデルです。発売当初はばね業界の中で、ばねを小口で売る商売は成立しないとも言われました。

しかし、お陰様で今では全国3万2千社を超える会社から定期的にご注文をいただいております。

当初は、製造をしている沢根スプリング㈱が窓口になっていましたが、通販専門の関連会社のサミニ㈱を立ち上げ、今ではそちらが販売を担当しています。今後ともよろしくお願い致します。

2.「ストックスプリング」の特徴

当社の『ストックスプリング』の特徴は、明快です。

1. 「1個からバラ売り!」 
発売当初から今でも変わっていません。

2. 「即日発送!」 
夕方5時までの注文は本日出荷します。(発売当時の午前中→午後3時→午後5時と変わりました)

3. 「豊富なアイテム!」 
標準的な圧縮スプリングや引張スプリング、ねじりばねだけでなく、あらゆる種類のばねを扱っています。どこにも負けないアイテムのばね情報満載です。

4. 「選びやすい表!」 
当社のばねをご購入いただくお客様には、ばねのことをよく知らない素人さんでばねの大きさから
選ぶ人、ばねの知識がありばね定数や最大荷重など機能から選ぶ専門家、両者に選びやすい表形式です。

5. 「一物多価制!」
一般的な通販では、一物一価つまり、1枚1000円、5枚5000円と一物一価ですね。多少の割引はあるかもしれませんが。
「ストックスプリング」の発売当初は価格10段階制、今では製品毎に価格コードが付けられ一回
のご注文の数量により単価が変わる価格8段階制をとっています。例えば、最も単価が安いA1コードの製品は、1個のご注文時の単価は170円、500個では26円となります。
価格表もオープンにしていますので、安心してご注文いただけます。

6. 「在庫も公開!」
急いでいる時にほんとうに在庫があるのかご心配は不要です。会員登録すればインターネットでそ
の製品の在庫がわかります。

私たちが通販でめざすマーケットは、自動車業界のような毎月何千、何万個の量産リピート品の市場ではありません。

全くその逆の使用量が少ない市場です。試作や研究用にばねを使いたい、設備や冶工具の作成にばねが必要、機械のばねが壊れて補修用にほしいなど、理由は様々です。

 

3. ストックスプリングで大切にしていること

私たちがこの「ストックスプリング」の販売で大切にしていることは次のとおりです。

「スピード」つまり速くお客様に届けることです。


今でこそ、弊社のミッションである「世界最速工場」をうたって努力を続けていますが、「ストックスプリング」の販売では何気ない仕事上のプロセスにも気を使ってきました。

発売20年間くらいは、FAXでいただく注文書に「本日発送致します」のメッセージを受注後直ぐにお客様の注文書に書き加え返信しお伝えしていました。
お客様がどこのばね屋さんかもわからない会社に注文して本当に今日出荷してくれるかどうか心配になるからです。

また、製品をお届けいただく運送会社のヤマト運輸さんと佐川急便さんを使い分けて、どちらがはやくお客様に届けることができるかで選択もしていました。
今ではほとんどの地域で翌日配達が可能となりました。ご注文のお問合せにも、よく多くの会社でみかける「少々お待ちください。担当の営業と変わります」を止め、最初に電話ででた対応者が直ぐに対応ができるようにしました。

4.ストックスプリングの歴史

では、「ストックスプリング」の歴史を振り返ってみたいと思います。
通信販売というビジネスモデルがいきなり思いつきで始まったわけではありません。

当時の社会に通販を行うインフラが整い始めたのも一因です。各企業には1980年からファックスが当たり前に設置されるようになり、まだ少なかったですがインターネットも普及しつつありました。


日本におけるインターネットの始まりは1984年(昭和59年)と言われていますが、その翌年に通販カタログを作成したのです。

そしてなにより荷物を運んでくれる宅配便の誕生と普及です。お馴染みの宅急便が始まったのは、1976年(昭和51年)ですが、スキー宅配便やゴルフ宅配便などの宅配成長期の入口あたりが1984年(昭和59年)で、受注と運送のインフラが整い始めた1985年(昭和60年)に日本で初めて通販カタログ「ストックスプリング」をスタートさせたわけです。この最初のカタログに掲載したばねの種類は570種類でした。

発売当初は社内でもなかなかコンセンサスを得ることができなく、本来全種類在庫を持ち直ぐ出荷しなければならなかったのですが、最初の570種類を全て揃えることが出来ておらず、発売当初は多くのお客様にご迷惑をおかけしました。その後は1年に何度も国内の展示会に継続出展し、カタログを配り続けました。最盛期には3日間でなんと2000部以上のカタログを配ったこともあります。

そして、2001年(平成13年)には、ばねのショッピングサイト「スプリング・ネット」を立ち上げ、本格的なネット販売へと移行してきました。

「スプリング・ネット」では、最初に会員登録すれば、2回目以降の注文は超簡単。
製品を検索し、数量を入力しカートに入れ、価格を確認し注文ボタンを押すだけ。翌日はお手元にばねが届きます。
代金は製品到着後、7日以内に指定口座にお振り込みいただいています。もちろん、代引き着払いも可能です。

5.まとめ

是非この機会に紙のばねの通販カタログをお手元に置かれてはいかがですか?ネットで検索もいいのですが、やはり紙のカタログの方がいいと言われるお客様も多いです。
標準ばねを販売している国内メーカーは「ストックスプリング」のサミニの他に10社程度あります。主なメーカーは、ミスミさん、アキュレイトさん、サンエスさんが代表的だと思います。

ちなみに、「ストックスプリング」のカタログは、次の種類の各種ばねが掲載されています。
・極小ばね ・圧縮スプリング  ・太物コイルばね  ・平角線ばね  ・防振ダンパーばね
・円錐ばね  ・チタン合金ばね  ・耐熱用ばね  ・耐食・耐酸用ばね  ・セラミックばね
・引張スプリング ・密着スプリング ・プレート付引張スプリング ・ねじ込み引張スプリング
・ダンパー引張ばね ・ハンガーばね  ・吊りばね  ・緩衝ばね  ・長巻引張ばね
・ねじりスプリング ・ねじりスプリング左巻 ・ダブルトーションばね ・ガーターばね
・スプリングベルト ・小径密着巻 ・長尺コイルばね  ・ジグザグばね  ・ガススプリング
・プラスチックばね  ・スプリングサイレンサー ・Rピン/マツバピン ・だるまピン/クリップリング  ・吊りカン ・リング ・緩み止めばね  ・電池ばね  ・うす板ばね  ・定荷重ばね
・うず巻きばね  ・ゼンマイ ・さらばね ・スプリングワッシャー ・ホースバンド 

また、・試作材料やばね自作キットなども掲載されています。
皆さん、一口にばねと言ってもこんなに種類があるのです。どの位イメージできますか?
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。