ばねの歴史②【ばねの発展】

第2弾!ばねの発展の歴史について紹介!!

いつもご愛読いただきありがとうございます。
ばねの歴史②では、ばねの発展について解説していければと思います。

前回のばねの歴史①では、ばねの起源は、原始時代に人類が木の枝をたわませ、それがもどる力を利用して、槍を飛ばすような簡単な罠の類ではないかということでした。

人類は、次第に弓矢や箸、そして鋏などにばね性を利用していき、木製から金属製のばねを利用した道具を生みだしていくようになります。

「ばね」は、以後どのように発展していったのでしょうか。少しのぞいてみましょう。

1.武器としてのばねの発展

紀元前200年代の西洋では、既に金属製の調理機器や農工具などの色々な道具が発明され、その中でばね性を利用したものもたくさんあったのではないかと言われています。

やがて武器の部品としてばねが利用されるようになり、様々な武器の誕生とともにばねが部品として多く利用されていったようです。

わかっているものでは、弓、そして現在のクロスボウのような弩(ど)、火縄銃などがあります。これらは、当時の人類の戦いの場において、とてつもない大きな力を発揮したのではないでしょうか。

そのような武器は、ばねがなければ作動しないので、ばねが重要な部品であったと言えるでしょう。

武器の発展は、人類の歴史で大きな転換期をいくつも創り出しました。ばねがそういった歴史の一端を担っていたということもまたひとつの事実ということなのでしょう。

火縄銃は、16世紀にヨーロッパから東アジアへと伝わっていきました。日本への「鉄砲伝来」は、諸説あるようですが、1543年、種子島に伝わったのが最初とされています。

その火縄銃の「弾き金」という部品がばねで作られていました。

鉄砲伝来では、ばねだけでなく「ねじ」や「火薬」の技術も日本に伝わることになり、以後、日本の技術力が高まるきっかけになりました。

 

2.錠前としてのばねの発展

 

武器だけではありません。「錠前」もまた、ばねなくしては作動しない重要なもののひとつです。

現在でも人類に大きな役割を果たしている錠前と鍵は、紀元前からある技術で、最古のものは紀元前4000年の木製錠だそうです。

日本には中国から伝来したという、板ばねが使用された「蝦錠」といわるものが広がっていきました。

現在主流のシリンダー錠は、1700年代に英国の機械技術者が発明し、こちらも板ばねを利用したものでした。1800年代には、現行の形状のものを米国の錠前師が開発し、こちらは小さなコイルばねが組み込まれたものでした。

現在では、鍵の無い社会は考えられません。電子的なセキュリティシステムも増えてきていますが、きっと物理的な部分には、小さなばねが活躍していることでしょう。

3.ぜんまいとしてのばねの発展

こちらも絶対に欠かすことができませんね。時計に使用される「ぜんまい」です。

ぜんまいもばねの発展においては重要なものです。発明したのはドイツ人で、15世紀後半頃と言われています。ぜんまいを用いて懐中時計を製作したそうです。なんと錠前職人だったそうですよ。

ぜんまいが発明される以前の時計は、振り子式などの大きなものが主流でしたが、ぜんまいの登場により、時計の小型化を実現しました。現在の機械式腕時計には、とても小さなぜんまいが組み込まれています。機械式腕時計が小さなぜんまいによって規則正しく動く姿は、とても美しく、時を忘れて見とれてしまいますね。

 

4.まとめ

人類は、原始より生き長らえるために様々な道具を考え駆使してきましたが、そこには「ばね」の力が少なからず利用されてきました。

やがて文明の発展とともに、道具はより便利なものへと進化し、その過程で組み込まれる「ばね」もさらに高度な技術のひとつとして確立されていきました。

その後、世界は産業革命を迎え、社会が大きく変化し、近代の幕開けとなります。この時代に「ばね」は、加工方法や材料などの技術が飛躍的に向上していき、他の分野とともに工業化の道を進むことになります。どのようなばねが生まれ、世の中で使われるのでしょうかね。この後の話は、またの機会にいたしましょう。