ばねの寿命ってどう決まる?ばねを長持ちさせる3つのポイント! 

ばねの寿命ってどう決まる?ばねを長持ちさせる3つのポイント!

 

多くの場面で使用されるばねですが、想定していたよりも早くへたってしまったり、折れたり曲がったりしてしまったという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

なぜ、想定していたばねの寿命よりも早く使えなくなってしまうケースが発生するのでしょうか。

今回は、ばねの寿命について解説していきます。

1. ばねの寿命とは?

まず、ばねの寿命の考え方について紹介します。
「ばねの寿命がくる」というのは、使っているばねがへたったり、割れたりなどにより、目的に沿った使用ができなくなることを指します。
そして、このばねの寿命というのは、どのような動きをするのか、どのようなばねの形状なのか、どのように応力がかかるか、どんな環境で使用されるのか、などの要素によってある程度予測を立てることができます。


例えば、伸び縮みを何千回、何万回も繰り返すようなばねと、一定の荷重を受け続けるばねでは、その寿命は大きく異なります。
また、板ばねなのか、引張ばねなのかといった形状によって、支えることができる力も数十トン単位で変わりますし、温度や湿度などの環境が変われば、寿命ももちろん変わります。
当然ですが、ばねの材質によっても寿命は異なるでしょう。
こういった様々な要素を考慮して設計されることでばねの寿命は決められます。

ストックスプリングの標準ばねの寿命の目安としては、 圧縮ばねで全タワミ、引張ばねで最大伸び、ねじりばねで使用角度の80%以内の使用ではコイル部分で 100万回としています。

ばねを購入する際には、メーカーに一度、商品の寿命を聞いてみるのが良いでしょう。

しかし、事前に確認していた寿命よりも早くばねがへたってしまうケースもあります。
なぜ、目的に沿って設計したにも関わらず、寿命が短くなってしまうのでしょうか。
次の章では、ばねの寿命がなぜ短くなってしまうのか、その最大の原因を紹介します。

2.ばねの寿命が短くなる要因

 

ばねの寿命が短くなる最大の要因は、ずばり「使い方」です。

注文したばね、特に特注のばねは、ばねの専門家が、使用される状況について丁寧にヒアリングを行い、それに合わせて設計をしていきます。
その設計における工程では、単純なばねの形状だけではなく、素材や重さなどの様々な観点を十分に考慮した上で進められます。
そのため、本来の目的のために、本来使用されるべき環境で、正しく使われていれば、想定されているよりも大幅に早く寿命が来てしまうというケースは稀です。

もちろん、設計が間違っている、不良品であるという場合も0ではありません。
しかし、ばねの寿命が早まっているケースの多くは、ばねの設計段階とは違った目的で使用されていたり、使われている環境が悪いといったことがほとんどになります。

ばねのへたりが早い、すぐに割れてしまってばねを交換する、といったことが頻繁に起きている場合は、一度その使い方を見直してみることをおすすめします。

3.ばねを長持ちさせる3つのポイント

では、ばねを想定されている寿命通り、もしくはそれ以上使い続けるためには、どのような工夫をするべきなのでしょうか?

ポイントは下記の3つになります。

①使用目的を明確に伝える
一つ目は、ばねの設計を依頼する際に、使用目的などを明確にメーカーに伝えるということです。
ばねは、その使用目的や環境によって、細かく計算されて設計を進めていきます。
そのため、依頼する段階でそれらを詳細に伝えることができるかどうかが、ぴったり合った、かつ、長持ちするばねを設計するポイントになります。
特注ばねの場合、ヒアリングし設計を実施するのは、ばねの専門家です。
ですので、自社で情報をまとめて依頼するだけではなく、メーカーに問い合わせて詳細を引き出してもらうようにしましょう。

また、標準ばねを使用している場合であっても、頻繁にばねの交換が発生している場合は、一度ばねの専門家に相談してみることをおすすめします。
特注と聞くと、コストが上がってしまうことを懸念される方もいらっしゃるかと思いますが、ロット数や、交換頻度の改善などを図ることができれば、むしろコストダウンを図ることも期待できます。

②目的通りに使用する
二つ目のポイントは、設計時の目的通りに使用するということです。
ばねは同じような形状だとしても、設計によって繰り返し伸び縮みに耐えられるようなばねや、一定の荷重を受け続けることができるばねのように、仕上がりに違いが生じます。
そのため、似たようなばねだからといって、違う目的のために使うことは望ましくないです。
ばねを長持ちさせるためにも、目的にあった使い方を心がけましょう。

③設置する環境に注意する
三つ目は、ばねを設置する環境を確認するという点です。
特に注意するべきは、ばねとほかの部品とが繋がる部分です。
引張ばねや、ねじりばねであれば、フック部分やアーム部根本が挙げられます。
この部分は、応力が集中するため、ばねの寿命に大きく影響します。
そのため、設計時にはその応力に耐えられるような設計が施されています。
しかし、設置する環境によっては、設計時に想定していたよりも大きな応力がかかってしまう場合もあります。
そういった余計な負荷がかかっていないかどうか、設置する環境を確認して、寿命が短くなることを未然に防ぐようにしましょう。

 

4.まとめ

いかがだったでしょうか?

ばねの寿命はその形状や使用環境によって大きく異なります。

現在、部品の一部としてばねを購入しているが、想定しているよりも早くへたりが起きてしまっていたり、割れてしまったりといったトラブルを抱えている場合は、まず一度、仕様環境を再度確認してみることをおすすめします。

 

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