ばねの『へたり』

ばねの『へたり』

いつもご愛顧いただき、ありがとうございます。
今回のコラムは、【ばねのへたり】について解説したいと思います。
ばねの『へたり』とは

ばねは、所定のたわみで一定の荷重を保つことを求められますが、長時間の使用により弾性ひずみが塑性ひずみとなり、ばね寸法が変化します。これが『へたり』です。

弾性ひずみが塑性ひずみに変化する現象の捉え方にはリラクゼーションとクリープの2つがあります。

前者はたわみ一定下における荷重損失を捉えるのに対し、後者は荷重一定下におけるたわみ変化を捉えるという違いです。

この現象は温度が高いと顕著に表れ、『へたり』が大きくなるということは、ばねが設計とおりの働きをしなくなることを意味します。

 

 

ばねの『へたり』を人間に例えると

われわれ人間は、へたばります。よく考えてみると、へたばり方には違いがあります。

重量挙げなどの場合のように、1回のリフティングでも自分の能力以上の重量を挙げようとするとへたばります。

またマラソン競技のように1歩1歩のエネルギー消費はわずかでも、長丁場になるとへたばります。

どちらの場合もへたばったといっていますが、中身は大分違います。

 

『へたる』前の圧縮ばね と 『へたった』圧縮ばね

 

『へたる』前の引張ばね と 『へたった』引張ばね

 

『へたる』前のねじりばね と 『へたった』ねじりばね

 

高温におけるばねの『へたり』

材質によっても異なりますが、常温に比べて使用温度が上がるとばねの『へたり』は急激に増加します。

もちろん繰り返し回数や力の関係による『へたり』は常温の場合と同様な傾向があります。

高温になると、材質の持っている耐熱性の差がはっきりとでてきます。

 

『へたり』に対する対策

 ・『へたり』にくいばね設計

  繰り返しの激しいばねは『へたり』が起こる可能性が多いです。このようなばねの場合一つの方

  法論ですが、ばね仕様を設計変更することがあります。

  具体的には、荷重時応力を下げるばね仕様に設計変更します。

 ・『へたり』にくいばね材料選択

  例えば現状SWC(硬鋼線C種)を使用していたとします。

  この材料をSWP-A(ピアノ線A種)に変更することで、許容応力が上がり『へたり』が軽減できる可

  能性があります。

まとめ

 ばねのへたりは、ばねを使用するにあたって重要な要素です。

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