こんな『ばね』もあります 

ばねの種類、用途は千差万別

 

いつもご愛読いただきありがとうございます。
本日のコラムでは、あまり見たことがない「形や材料が変わっているばね」、またはこんなところに使用されている「ばね」を紹介したいと思います。。

 

1. 形が特殊なばね

ばねの種類は以前にもお話した通り、代表的な物で「圧縮コイルばね」「引張コイルばね」「ねじりコイルばね」「板ばね」「トーションバー」などがあります。
圧縮コイルばねの中にも、色々な形があることはご存じでしょう。不等ピッチばね (コイルピッチが変わるばね)・円錐ばね・樽型ばねなど。

不等ピッチばねで身近で見かけるものは、バイクのリアサスペンションのばねがあります。また、円錐ばねでは乾電池のマイナス側を押さえる電池ばね、樽型ばねは、ハサミなどの工具の戻しに使われています。

その中でも少し形が特殊なばねを紹介いたします。

その① 巻が2重になっている ねじりばね

画像でもわかる通り、コイルが巻かれた上に巻方向が逆のコイルが存在するねじりばねです。

この場合、端部が同一面上にある為、作動及び固定側を同一面にすることが可能になります。バイクやスクーターのキックの戻しに使われ、『ダブルキックバネ』などと呼ばれています。

 

その② 絞り丸フックの引張コイルばね

今となっては珍しくなってしまいましたが、以前は多く作られていたバネです。
特長はコイルとフックは別物で、一般にはコイルの線径よりもフック部の線径の方が1ランク又は2ランク太い線径を用いて作られます。フックの線径が太いことによってフックの強度を上げることができます。引張コイルばねは、性質上フック部にかかる応力が高くなりやすく、フックの折損が懸念されます。このような場合は絞り丸フックの引張コイルばねが有効です。
また、フックの向きが自由に変えれるので取付が楽になります。身近では、バイクのマフラーの連結などに使われています。

欠点はコストが高く、また近年では製造するメーカーも少なく、珍しくなってしまったバネです。

その③ 2重になっている引張コイルばね

一般的な引張コイルばねは、1本の材料で製作されていますが、今回紹介する引張コイルばねは画像の通り、2本のバネを1本にして使用するバネです。
このバネの利点は、2倍の強さがでること・ストロークも1本と変わらず得られること・取付スペースが小さくて済むことです。

身近なところでは、バイクのサイドスタンドに使用されています。

その④ 楕円型圧縮コイルばね

通常の圧縮コイルばねは、断面が円形状になりますが、楕円型圧縮コイルばねは、その名の通り、断面が楕円形状をしています。断面を楕円形状にすることで、エネルギー効率(応力分布)が向上し、軽量化及び小スペース化を図ることができます。

欠点は、製品精度が円形型の圧縮コイルばねと比べて劣りまた、コスト高になる傾向があります。

 

2.使用用途は一緒なのに形が違うばね

その他にも、使用用途は同じなのに形が違うばねなどもあります。

様々な工具や製品に見られるのですが、わかりやすい一例を挙げます。

剪定ばさみ

剪定ばさみはホームセンター等でよく見かけると思いますが、よく見るとメーカー・製品によって様々な形状のばねが使われています。
ねじりばねをはじめ、圧縮コイルばね(円筒型・樽型等)・虫ばねと呼ばれるタケノコばねの変形などが主に使用されています。

このように機能は同じでも、形の違うばねが使われている例があります。

3. まとめ

ばねは、使われる箇所によって性能・コスト等を考慮し、様々な形状をしたばねが存在します。
ばねっぽくない!と思われるような形状のものも私達の日常生活の中にも使われているので、探してみるのも面白いかもしれません。

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