【教えて!ばね博士】① 圧縮ばね機械の進化(コイリングマシン編)

【教えて!ばね博士】① 圧縮ばね機械の進化(コイリングマシン編)

いつもご愛読いただきありがとうございます。
今回は、「ばね博士に聞いてみよう」シリーズの第一弾として、
圧縮ばね機械の進化(コイリングマシン編) についてばね博士が分かりやすく解説いたします。

『ばね博士』

  今回は「ばね機械の進化」について話をしてみよう。

  圧縮ばねの機械(コイリングマシン)は現場で見たことはあるかな?

『新入社員』

  もちろん見てますよ。でもまだ触ってはいませんが。

『ばね博士』

  今のコイリングマシンは、コンピューターで制御されている機械が多いんだ。

  コンピューターが身近でない少し前の時代は、メカで動かす機械がほとんどだったんだけどね。でも基本的にばねを成形する部分は一緒 
なんだ。昔の機械と今の機械を並べてみたけど、どちらが最新の機械かわかるかな?

 

                             

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『新入社員』

 どちらも同じように見えますが、右の機械が最新の機械ですね。

『ばね博士』

 よくわかったね。では何が違うか簡単に説明しよう。

 前面をよく見ると、最新の機械にないものあるんだ。わかるかな?

『新入社員』

 う~ん。何かなあ。

『ばね博士』

 最新の機械には「カム」がないんだよ。カムの役割はばねの座巻部分を成形する時とコイル径を変化させる時に使用するんだけど、最新の機械ではサーブモーターを使ったりしてコンピューターで制御していることが多い。

 送りローラーもサーボモーターで制御されて、ばねの展開長を数値で簡単に調整でき作業効率が良くなっている。

 最初にも話した通り、実は「ばね」を作る方法、材料がガイドに入り送りローラーで材料を押し出し突き当てにあててコイリングしていく事は、今も昔も変わってはいないんだよ。

 いいばねを作る技術は、作業者の腕にゆだねられているということ。

 事実、昔の機械でも品質のいいばねを作っているメーカーは沢山存在しているんだ。

 では最新の機械は何がいいのか?

 コンピューター制御により、セッティングの時間が短縮・また、長さの検知ができたり色々な情報が数値で確認できること。

 君も最新の機械で腕のいい技術者になり、会社に貢献できるといいね。

 

 

『新入社員』

 ばねの品質を上げるためには、単に最新鋭の機械を導入すればいいと言う訳でもなさそうですね。大変勉強になりました。

『ばね博士』

 今回は、圧縮ばねを作る機械で話したけれど、次回はねじりばねを作る機械の進化を話そう。ねじりばねの機械のほうが更に進化しているから、面白い話ができると思う。

『新入社員』

 それは楽しみですね。ぜひお願いします。

『ばね博士』

 それでは次回、乞うご期待。またお会いしましょう。